松本城外堀復元事業の方向性の見直しについて
2018年07月12日
https://mainichi.jp/articles/20180711/k00/00e/040/254000c
松本城の南・西外堀復元事業が一旦断念となり、
平面利用とすることによる
方向性の見直しが
議会で承認された件について説明します。
行政事業は、法令根拠のもとに進めらるべきであり、
それをチェックするのが議員の仕事であるという前提での
説明になりますので、あらかじめご了承ください。
土壌汚染対策に関する法令により、
たとえ自分が原因でなくても
所有する土地から汚染が見つかた場合、
その土地の地権者が除去費用を負担するという
基本的な解釈は、避けられない見解だと思います。
そうした地権者負担が発生する場合、
今回の松本市のケースにおいては、
すでに取得済みで市が所有者となっている土地は、
市が負担すべきものですが、
未取得の土地においては、
地権者が負担するものとなり、
負担しなくてはならない所有者が2通りに分かれています。
市が負担する部分に関しては、
市民が賛成多数であればすぐにでも執行できるかもしれませんが、
民間地権者の場合は、
財産に影響が生じてきますから、簡単な問題ではありません。
このまま市に売却しても、
あとで高額な請求が来ると分かれば、
当然、売りにくくなるでしょう。
松本市は、
松本城の史跡保存の観点から、
お堀が存在していたこの土地を
かねてより施設利用ではなく
「史跡保存」として取得したいと考えていました。
今回の土壌汚染の除去費用は、
掘削が伴う場合に発生しますが、
掘削を伴わないもので健康被害の恐れもない今回の見直し案の場合は、
(つまり平面利用であれば)除去しなくてもいい状況となっています。
また、検出された鉛の数値は、
基準値をほんのごくわずか超えるもので、
周囲の水質にも影響がない状態であることは分かっているので、
今後鉛の数値が自然に低くなっていき、基準範囲内に収まる可能性も考えられます。
また、全国でこうした問題が多く発生してきていることから、
今後何らかの対応が考慮されていく可能性もあります。
従って、今回の論点は、
一旦は事業を中断するものの、
土地の取得は続け、
そうした状況になるまで待ち、
状況が変化したときに全力で復元する、
という方向への舵取りと、
こうした可能性が残されている中で、
土壌汚染が発覚しても事業を続け、
除去に余剰な税金を投入して掘削することと、
どちらの方が社会的な理解を得られるだろうか
という点でした。
過剰に市税を投入することなく、
民間地権者へも負担を強いることなく、
平面利用に舵を取るものの
復元の時が来るのを待つ
という計画変更への承認は、
復元が先延ばしになってしまって
本当に残念な結果ではあるけれど
今考えられる最善策としては
適切な判断であると考え、
議会では約3分の2にあたる
20名ほどの議員が賛成表明し、
承認に至りました。
今後の平面の活用方法について
活気ある松本の創造のために
斬新で効果的なアイデアが
市民の皆さんから様々に出され、
全国のモデルケースとなることを期待しています。
松本城の南・西外堀復元事業が一旦断念となり、
平面利用とすることによる
方向性の見直しが
議会で承認された件について説明します。
行政事業は、法令根拠のもとに進めらるべきであり、
それをチェックするのが議員の仕事であるという前提での
説明になりますので、あらかじめご了承ください。
土壌汚染対策に関する法令により、
たとえ自分が原因でなくても
所有する土地から汚染が見つかた場合、
その土地の地権者が除去費用を負担するという
基本的な解釈は、避けられない見解だと思います。
そうした地権者負担が発生する場合、
今回の松本市のケースにおいては、
すでに取得済みで市が所有者となっている土地は、
市が負担すべきものですが、
未取得の土地においては、
地権者が負担するものとなり、
負担しなくてはならない所有者が2通りに分かれています。
市が負担する部分に関しては、
市民が賛成多数であればすぐにでも執行できるかもしれませんが、
民間地権者の場合は、
財産に影響が生じてきますから、簡単な問題ではありません。
このまま市に売却しても、
あとで高額な請求が来ると分かれば、
当然、売りにくくなるでしょう。
松本市は、
松本城の史跡保存の観点から、
お堀が存在していたこの土地を
かねてより施設利用ではなく
「史跡保存」として取得したいと考えていました。
今回の土壌汚染の除去費用は、
掘削が伴う場合に発生しますが、
掘削を伴わないもので健康被害の恐れもない今回の見直し案の場合は、
(つまり平面利用であれば)除去しなくてもいい状況となっています。
また、検出された鉛の数値は、
基準値をほんのごくわずか超えるもので、
周囲の水質にも影響がない状態であることは分かっているので、
今後鉛の数値が自然に低くなっていき、基準範囲内に収まる可能性も考えられます。
また、全国でこうした問題が多く発生してきていることから、
今後何らかの対応が考慮されていく可能性もあります。
従って、今回の論点は、
一旦は事業を中断するものの、
土地の取得は続け、
そうした状況になるまで待ち、
状況が変化したときに全力で復元する、
という方向への舵取りと、
こうした可能性が残されている中で、
土壌汚染が発覚しても事業を続け、
除去に余剰な税金を投入して掘削することと、
どちらの方が社会的な理解を得られるだろうか
という点でした。
過剰に市税を投入することなく、
民間地権者へも負担を強いることなく、
平面利用に舵を取るものの
復元の時が来るのを待つ
という計画変更への承認は、
復元が先延ばしになってしまって
本当に残念な結果ではあるけれど
今考えられる最善策としては
適切な判断であると考え、
議会では約3分の2にあたる
20名ほどの議員が賛成表明し、
承認に至りました。
今後の平面の活用方法について
活気ある松本の創造のために
斬新で効果的なアイデアが
市民の皆さんから様々に出され、
全国のモデルケースとなることを期待しています。