松本市副市長が選任されました
2020年04月14日
本日(14日)の臨時議会で、副市長人事案件が上程されました。
結果は、可決。議会の承認によって、嵯峨副市長が誕生しました。
昨年度まで総務部長であった嵯峨氏が、市長から手腕を期待され、指名を受けた理由としては、ざっくりいうと次の通りのようです。
・様々な部長と会って人となりに触れ、自分の右腕にふさわしい人物を選んだ
・総務部長として庁内にも精通し、これまでのキャリアも申し分ない
・副市長不在の期間が長引き、市政の停滞を生じさせてはいけない
今回は、2名の議員が副市長人事に反対の意見を表明し、議案に賛成しなかった議員は4名でした。(異例)
そもそもの摩擦の発端は、議会での議論を経て導入された庁舎内の防犯カメラを、新市長が「議会と協議せずに停止させた」ことに対する「議会軽視」への懸念でした。
議会に諮ったら否決されるとの読みだったからなのか、議会との協議を回避した市政運営には、結果的に、議会内からの非常に厳しい指摘だけでなく、議会外(つまり市民)からも疑問の声が聞こえてきました。
特に、新市長の熱心な支持者ですら「それはダメ」と残念がる声が上がり、私の中でも強い印象が残りました。
当選早々、市政運営は2期8年で十分とする自らの期限を設けた新市長にとって、公約を実現するためなら、議会との協議をできるだけ回避した方が良い、あるいは議会の過半数の賛成さえ取れるなら、少数意見相手に時間を費やすのは無駄だと考えても致し方ない、とする論法は、一見、合理的なように思えます。
しかし、この論法は、非常事態時の集団心理が陥りやすい危険性そのものであることも認識されなければなりません。
平常時、時間をかけてでも一人ひとりの権利や自由を最大限尊重すべきと訴えていた人が、新型コロナの状況に対しては「みんなで打ち勝つ問題、時間の問題だ。この際個々の言い分を聞いてる場合じゃない。」と感じ始める集団心理と同じです。
コロナは非常事態、目に見えない脅威への不安と恐怖に加えて、命も関わって来る問題ですので、感染拡大を食い止める策は、緊急性を要します。けれど、それはあくまでも「非常事態」の対応であって、これを平常時の論法として適用させることには大きなリスクが伴います。
一方で、議会との協議を極力回避、あるいは過半数さえとればそれでいいという論法をとらざるを得ないほどの緊急事案とは、どのような案件なのか、私たちは原点に立ち返って、今一度、冷静に考える必要があります。
これまでの松本市政は、(失礼ながら)若々しさには欠け、頑固なまでに融通の利かない姿が随所に見られたと思います。
しかしそれは、別の見方をすると、「一人二人の意見に偏らず、常に安全運転を意識して進んでいた」姿勢の現れでもあり、言い換えれば「市民を着実な方法で守ろうとしていた」姿の現れでもあったと言うことができます。
従って、議会との直接の議論を避け、結果報告のみに終始する市政運営を「致し方ない」とする心理が働くとしたら、それは非常事態時の心理であり、決して平常時に取るべき市政運営の姿ではないということだけは、市民の皆さんと認識を共有させていただけたら幸いです。
今回、4名の議員が鳴らした警鐘は、今後、市が議会と向き合うべき姿勢を問うたものであり、市長副市長には、決して「うるさい蝿」と払いのけるような軽い問題ではないことをご理解いただきたいと思います。
そのような中、私は、今回の副市長人事に賛成の立場をとりました。
私の会派内での役割は、未来を見据えた展望の必要性を示すこと。
そして、もし、自分が同じ立場であったら、信頼できる人間を脇において仕事がしたいと思う気持ちは理解できる、という思いからです。
今回の決断を下すにあたり、会派の中では話し合いに話し合いを重ねました。その結果、議会制度と民主主義のプロセスを重視する重石も必要、一方で、未来を見据える展望も必要、また、議会運営への配慮も必要、という3つの方向性を打ち出す必要がある、という結論になりました。そして、それぞれの役割をお互いに認識しあい、行動に移した次第です。
ところで、今回の庁内の一般人事に関して、議会が踏み込めないことではあるものの、庁内に言い知れぬ空気が漂っていることは、部外者の私の肌にもひしひしと感じるものがあります。
職員とて、心ある人間です・・・この件は、この程度にします。
臨時議会の後は、防犯カメラ同様、議会で賛否が別れた「松くい虫対策」の報告事項でした。これも、今後の方向性を報告するものとして提示され、議会との協議は行われませんでした。厳しい表情の議員たちからは、鋭い質疑が飛んでいました。集約は議会でも異例の「承認しかねる」でした。
本日選任されました副市長には、市長と共に、より良い松本の創造に向けて、ご活躍を期待申し上げます。
結果は、可決。議会の承認によって、嵯峨副市長が誕生しました。
昨年度まで総務部長であった嵯峨氏が、市長から手腕を期待され、指名を受けた理由としては、ざっくりいうと次の通りのようです。
・様々な部長と会って人となりに触れ、自分の右腕にふさわしい人物を選んだ
・総務部長として庁内にも精通し、これまでのキャリアも申し分ない
・副市長不在の期間が長引き、市政の停滞を生じさせてはいけない
今回は、2名の議員が副市長人事に反対の意見を表明し、議案に賛成しなかった議員は4名でした。(異例)
そもそもの摩擦の発端は、議会での議論を経て導入された庁舎内の防犯カメラを、新市長が「議会と協議せずに停止させた」ことに対する「議会軽視」への懸念でした。
議会に諮ったら否決されるとの読みだったからなのか、議会との協議を回避した市政運営には、結果的に、議会内からの非常に厳しい指摘だけでなく、議会外(つまり市民)からも疑問の声が聞こえてきました。
特に、新市長の熱心な支持者ですら「それはダメ」と残念がる声が上がり、私の中でも強い印象が残りました。
当選早々、市政運営は2期8年で十分とする自らの期限を設けた新市長にとって、公約を実現するためなら、議会との協議をできるだけ回避した方が良い、あるいは議会の過半数の賛成さえ取れるなら、少数意見相手に時間を費やすのは無駄だと考えても致し方ない、とする論法は、一見、合理的なように思えます。
しかし、この論法は、非常事態時の集団心理が陥りやすい危険性そのものであることも認識されなければなりません。
平常時、時間をかけてでも一人ひとりの権利や自由を最大限尊重すべきと訴えていた人が、新型コロナの状況に対しては「みんなで打ち勝つ問題、時間の問題だ。この際個々の言い分を聞いてる場合じゃない。」と感じ始める集団心理と同じです。
コロナは非常事態、目に見えない脅威への不安と恐怖に加えて、命も関わって来る問題ですので、感染拡大を食い止める策は、緊急性を要します。けれど、それはあくまでも「非常事態」の対応であって、これを平常時の論法として適用させることには大きなリスクが伴います。
一方で、議会との協議を極力回避、あるいは過半数さえとればそれでいいという論法をとらざるを得ないほどの緊急事案とは、どのような案件なのか、私たちは原点に立ち返って、今一度、冷静に考える必要があります。
これまでの松本市政は、(失礼ながら)若々しさには欠け、頑固なまでに融通の利かない姿が随所に見られたと思います。
しかしそれは、別の見方をすると、「一人二人の意見に偏らず、常に安全運転を意識して進んでいた」姿勢の現れでもあり、言い換えれば「市民を着実な方法で守ろうとしていた」姿の現れでもあったと言うことができます。
従って、議会との直接の議論を避け、結果報告のみに終始する市政運営を「致し方ない」とする心理が働くとしたら、それは非常事態時の心理であり、決して平常時に取るべき市政運営の姿ではないということだけは、市民の皆さんと認識を共有させていただけたら幸いです。
今回、4名の議員が鳴らした警鐘は、今後、市が議会と向き合うべき姿勢を問うたものであり、市長副市長には、決して「うるさい蝿」と払いのけるような軽い問題ではないことをご理解いただきたいと思います。
そのような中、私は、今回の副市長人事に賛成の立場をとりました。
私の会派内での役割は、未来を見据えた展望の必要性を示すこと。
そして、もし、自分が同じ立場であったら、信頼できる人間を脇において仕事がしたいと思う気持ちは理解できる、という思いからです。
今回の決断を下すにあたり、会派の中では話し合いに話し合いを重ねました。その結果、議会制度と民主主義のプロセスを重視する重石も必要、一方で、未来を見据える展望も必要、また、議会運営への配慮も必要、という3つの方向性を打ち出す必要がある、という結論になりました。そして、それぞれの役割をお互いに認識しあい、行動に移した次第です。
ところで、今回の庁内の一般人事に関して、議会が踏み込めないことではあるものの、庁内に言い知れぬ空気が漂っていることは、部外者の私の肌にもひしひしと感じるものがあります。
職員とて、心ある人間です・・・この件は、この程度にします。
臨時議会の後は、防犯カメラ同様、議会で賛否が別れた「松くい虫対策」の報告事項でした。これも、今後の方向性を報告するものとして提示され、議会との協議は行われませんでした。厳しい表情の議員たちからは、鋭い質疑が飛んでいました。集約は議会でも異例の「承認しかねる」でした。
本日選任されました副市長には、市長と共に、より良い松本の創造に向けて、ご活躍を期待申し上げます。