日本のPCR等検査体制が早期に拡充されなかった理由/5月4日感染症対策専門家会議資料より

2020年05月05日

「検査するのに、○○まで行かないといけないんだって!でもすぐにはやってもらえないみたいだよ」
「えー!遠いねー!なんですぐ受けられないんだろうね」
という会話をよく耳にしていました。
私も、何故だろう?と思っていたのですが、
5月4日に開かれた感染症対策専門家会議での資料に、その理由の考察が記載されていましたので、概要を以下に記しました。
関連業務に従事され、最前線で対応されていらっしゃる皆様に、心から感謝の気持ちと敬意を表します。

■資料:新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年5月4日)より
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/senmonkakaigi/sidai_r020504_1.pdf

『日本において PCR 等検査能力が早期に拡充されなかった理由(概要)』 (P.18-19)

・日本の感染症に対する PCR等検査体制は、国立感染症研究所と地方衛生研究所が中心

・これまで、SARSやMERSなどの新興感染症が起こっても、国内で多数の患者が発生しなかったため、地方衛生研究所の体制拡充を求める声が起こらなかった事などの背景から、体制が十分に整備されてこなかったことも影響したのでは。(韓国・シンガポールは、SARS・MERSの経験等から、PCR等検査体制を拡充していた)

・国内流行当初、重症化のある患者等へのみ検査を優先せざるを得なかったのは、こうした背景が影響したか

・そのような背景を踏まえ、専門家会議では、3 月初旬からは政府等に対し、PCR 等検査体制の拡充を求めてきた

・国も、大学、医療機関、検査会社に対しPCR等検査に必要なノウハウと試薬等を提供。精度の高い統一的な方法による検査の拡充に努め、3月6日にPCR等検査の保険適用を行うなどの取組を実施(民間市場拡充の観点も)したが、3月下旬以降、感染者数が急増した大都市部を中心に、検査待ちが多く報告された

・PCR 等検査件数がなかなか増加しなかった原因
(1)帰国者・接触者相談センター機能を担っていた保健所の業務過多
(2)入院先を確保するための仕組みが十分機能していない地域もあった
(3)PCR等検査を行う地方衛生研究所は、限られたリソースのなかで通常の検査業務も並行して実施する必要がある
(4)検体採取者及び検査実施者のマスクや防護服などの感染防護具等の圧倒的な不足
(5)保険適用後、一般の医療機関は都道府県との契約がなければ PCR等検査を行うことができなかった
(6)民間検査会社等に検体を運ぶための特殊な輸送器材が必要、またそれに代わることのできる輸送事業者の確保が困難 など

(以上)

※ちなみに、この提言の中で「新しい生活様式」も言及されていました。(P.9)

日本のPCR等検査体制が早期に拡充されなかった理由/5月4日感染症対策専門家会議資料より




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